☆死人の鏡「Dead
Man’s Mirror」
(1993年制作、ブライアン・ファーナム監督、
脚本:アンソニー・ホロウィッツ、撮影:ノーマン・ラングレー、
音楽:クリストファー・ガニング
デビット・スーシェ、ヒュー・フレイザー、フィリップ・ジャクソン、
イアン・カスバートソン、エマ・フィールディング、
フィオナ・ウォーカー、ゼナ・ウォーカー、リチャード・リンターン、
ジェレミー・ノースハム)
落札した横柄な老人、美術品収集家のジャペイス・シェブニックスから、
詐欺事件の調査を依頼される。ジャベイス邸を訪れると、
ジャベイスは執務用の机の上で銃を握って死んでいた。
事件の解明を調査するポワロとヘイスティングスとジャップ警部が
描かれる作品である。
自殺と思い込むジャップ、しかしポワロは、握っていた銃は
ジャベイスの利き腕か、発射された弾丸はどこに行ったのか、
調査するようにジャップ警部に依頼する。
ポワロの推理が正しく、殺人事件だとジャップ警部も理解する。
ジャベイスの妻、養女のルース、甥のトレント、トレントの婚約者スーザン、
シェブニックスの秘書リンガード、建築家のスネル等が登場、
複雑な人間関係の中で、遺言が書き換えられていたこと、
それぞれに殺しの動機を持つ家族。
珍しく、爆発炎上シーンも登場、ポワロとヘイスティングス、
ジャップ警部が危うく巻き込まれるシーン等、従来とは
一味異なるポワロとなっている。
関係者の殺人の動機を説明、犯人を油断させるというポワロの戦略に、
まんまと乗った犯人は、さらなる殺人を計画するが、
ポワロに邪魔されるというエンディング。
ノースゲイト開発のビルが爆発炎上するシーンは、それなりに迫力があり、
詐欺事件も爆発の原因もレイクの仕業と分かり、
ジャベイス殺人の犯人は、ジャベイスの妻パンダを殺すことで
ルースに遺産の相続をさせたいと願う、秘書のリンガードだった
ことが暴かれる。
ルースはリンガードの実の子供だったということや、
秘書のリンガードが書き換えられた遺言を見る機会が
あったこと等の理由がポワロによって明かされる。
テレビドラマ用に脚色された作品だが、原作を大幅に脚色することで、
ドラマが面白くなるのであれば、それはそれでいいのだろうし、
原作を離れた時点でもはや、原作は単なる脚本の基に
なってしまうのである。
“ポワロは面白い”☆☆☆☆