☆雲をつかむ死「Death in the Clouds」
〈1992年制作、スティーブン・ウィテカー監督、
脚本:ウィリアム・ハンブル、撮影:アイバン・ストラスバーグ、
音楽:クリストファー・ガニング
デビット・スーシェ、フィリップ・ジャクソン、サラ・ウッドワード、
シャウン・スコット、キャサリン・ハリソン、デビッド・ファース、
アマンダ・ロイル、リチャード・イレソン、ジェニー・ダウンハム)
パリの観光名所が随所に登場、さながらパリ旅行の雰囲気が味わえる作品。
英国とフランスを結ぶ航空機の中で、金貸しの老婦人が毒矢に刺され、
殺されるという事件が起こる。
その際ポワロは飛行機に同乗していたものの、飛行機が苦手なポワロは、
目を瞑っていたという設定。
パリでは全仏オープンの準決勝、決勝のシーンが登場、
フレッド・ペリーが優勝という時代設定、1936年の試合である。
観戦している老婦人マリー・ジゼルは金貸し、女優のホーバリ伯爵夫人、
そして新任のスチュワーデス/ジェーン、歯科医のノーマン・ゲイル等、
主な登場人物はテニス観戦のシーンに登場する。
飛行機の中には、探偵小説で人気を博している作家ダニエル・クランシー、
考古学者のデュポン、ホーバリのメイド等が飛行機に搭乗、
他にマリー・ジゼル、ホーバリ夫人、ノーマン・ゲイル、
そしてジェーンとスチュワードのミッチェルも搭乗している。
亡くなったジゼルの遺産の受取人である娘アンも警察に出頭、
ホーバリ夫人はジゼルに多額の借金があるという設定で
、犯人らしき人物が入れ替わり立ち代わり登場する。
パリ警視庁のフルニエ警部もジャップ主任警部に協力するが、
ジャップ警部が上から目線で命令するのが楽しい。
南米の吹矢に翻弄されるポワロだったが、調査を進める中で、
アンの結婚相手に注目、さらに機内でスチュワードに変装した人物が
ジゼル殺害の犯人と結論付ける。
その犯人とは、ジェーンと親密になっていた歯科医のノーマン・ゲイルで、
ジゼルを殺害し遺産相続人となるとアンと結婚、アンも殺害し遺産を
独り占めにする計画なのだが、ポワロに見破られるというストーリー。
勿論、原作を大幅に脚色しているのだが、テレビドラマとしては
見応えがあり、ポワロは飛行機が嫌いだということがよく解る
作品となっている。甘いものが大好きなことも発見である。
ケーキが食べれなくて心残りな表情のポワロが楽しい。
女性にはあくまでも親切で、フェミストのポワロ、この作品でも
本領を如何なく発揮している長編である。
“ポワロは面白い”☆☆☆☆☆
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