2020年10月21日水曜日

ポワロは面白い32 雲をつかむ死「Death in the Clouds」

 ☆雲をつかむ死「Death in the Clouds

〈1992年制作、スティーブン・ウィテカー監督、

脚本:ウィリアム・ハンブル、撮影:アイバン・ストラスバーグ、

音楽:クリストファー・ガニング

デビット・スーシェ、フィリップ・ジャクソン、サラ・ウッドワード、

シャウン・スコット、キャサリン・ハリソン、デビッド・ファース、

アマンダ・ロイル、リチャード・イレソン、ジェニー・ダウンハム)

   

パリの観光名所が随所に登場、さながらパリ旅行の雰囲気が味わえる作品。

 

英国とフランスを結ぶ航空機の中で、金貸しの老婦人が毒矢に刺され、

殺されるという事件が起こる。

その際ポワロは飛行機に同乗していたものの、飛行機が苦手なポワロは、

目を瞑っていたという設定。

 

パリでは全仏オープンの準決勝、決勝のシーンが登場、

フレッド・ペリーが優勝という時代設定、1936年の試合である。

観戦している老婦人マリー・ジゼルは金貸し、女優のホーバリ伯爵夫人、

そして新任のスチュワーデス/ジェーン、歯科医のノーマン・ゲイル等、

主な登場人物はテニス観戦のシーンに登場する。

 

飛行機の中には、探偵小説で人気を博している作家ダニエル・クランシー、

考古学者のデュポン、ホーバリのメイド等が飛行機に搭乗、

他にマリー・ジゼル、ホーバリ夫人、ノーマン・ゲイル、

そしてジェーンとスチュワードのミッチェルも搭乗している。

 

亡くなったジゼルの遺産の受取人である娘アンも警察に出頭、

ホーバリ夫人はジゼルに多額の借金があるという設定で

、犯人らしき人物が入れ替わり立ち代わり登場する。

 

パリ警視庁のフルニエ警部もジャップ主任警部に協力するが、

ジャップ警部が上から目線で命令するのが楽しい。

南米の吹矢に翻弄されるポワロだったが、調査を進める中で、

アンの結婚相手に注目、さらに機内でスチュワードに変装した人物が

ジゼル殺害の犯人と結論付ける。

 

その犯人とは、ジェーンと親密になっていた歯科医のノーマン・ゲイルで、

ジゼルを殺害し遺産相続人となるとアンと結婚、アンも殺害し遺産を

独り占めにする計画なのだが、ポワロに見破られるというストーリー。

 

勿論、原作を大幅に脚色しているのだが、テレビドラマとしては

見応えがあり、ポワロは飛行機が嫌いだということがよく解る

作品となっている。甘いものが大好きなことも発見である。

ケーキが食べれなくて心残りな表情のポワロが楽しい。

 

女性にはあくまでも親切で、フェミストのポワロ、この作品でも

本領を如何なく発揮している長編である。

 

“ポワロは面白い”☆☆☆☆☆

 

 

 

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