☆愛国殺人「One、Two、Buckle My Shoe」
(1992年制作、ロス・デベニッシュ監督、脚色:クライブ・エクストン
デビット・スーシェ、フィリップ・ジャクソン、ジョアンナ・フィリップス・レーン、
ピーター・ブリース、クリストファー・エセルストン)
ポワロの苦手がまた見つかるのだが、それは歯科医で、ポワロの通う歯医者で
殺された歯医者のモーリー先生、最初はギリシャ人患者に間違って薬を投与
したことを悔やんでの自殺と思われていたところに、ポワロが登場する。
この作品の原作は1940年に発表されたが、作品もファシストの黒シャツ等が
登場、事件の鍵を握る人物である銀行家のブラントは、国のために尽力している
ことを公言してはばからない、そのためには人命が損なわれても止む無し
という野心的な人物として描かれている。
事件の背後には12年前のインドでの出来事が関与しており、成りすましと
変装がこの事件を解くカギとなってゆく。
歯科医モーリーの秘書グラディスの恋人が、モーリーが殺害される直前に
歯科医を訪れ、いらいらしていたことが歯科医のボーイによってジャップ警部に
報告される。
英国滞在中のギリシャ人アンベリオティスが殺害されたのは何故か?
また、別人だと思っていた、モーリー歯科医の患者メイベル・S・シーㇽが
顔面が砕かれて殺害されていたのは何故か?
ようだ。インド滞在時代、銀行家のブラントは結婚しており、ロンドンに
帰ってきてからの結婚は二重結婚であることが背景に隠されていたという構成。
関係者一同を前に事件の謎を解き明かす、ポワロは、二重婚姻がばれるのを
恐れその証拠を隠すために、3人も殺人を犯すことになったことを、解説し、
殺人を国のためと肯定するブラントに対し、ポワロは国よりも個人の命が大切と
反論する。
この作品に出演しているブラントの亡くなった妻の妹の娘ジェーンを演じた
サラ・スチュワートが美形で目を惹いた。
この作品には、ヘイスティングスとミス・レモンは登場しないが、ジャップ警部と
信頼で結ばれているのが良く解る。
ジャップ警部の自宅を訪問するシーンも挿入されている。
“ポワロは面白い”☆☆☆☆
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