2021年2月18日木曜日

ポワロは面白い42ポワロのクリスマス「Hercule Poirot’s Christmas」

 

☆ポワロのクリスマス「Hercule Poirot’s Christmas

(1995年制作、監督:エドワード・ベネット、

脚本:クライブ・エクストン、撮影:サイモン・コスオフ、

音楽:クリストファー・ガニング、原作:アガサ・クリスティー、

デビット・スーシェ、フィリップ・ジャクソン、バーノン・ドブチェフ、

サイモン・ロバーツ、キャサリン・ラベネ、エリック・カルテ、

アンドリュー・バーナード、ブライアン・ガスパリ、

サーシャ・ビハール、マーク・タンディー)

 

ポワロの事務所兼自宅のホワイト・ヘブンマンションのセントラル・

ヒーティングが壊れたため、修理を依頼するがクリスマスシーズン

の為、26日以降迄修理は出来ないと伝えられたポワロに、

老富豪シメオン・リーから、クリスマスに殺されるかもしれない

との電話を受け、寒さに弱いポワロは、暖房の利いた

シメオン・リーの館へ赴くことになるというスタート。

 

今作はクリスマス休暇と言うことも有、ミス・レモンや

ヘイスティングスは登場しない、ジャップ警部は自宅に親戚が

集まるものの、クリスマスソングの大熱唱が繰り返されるため、

実は自宅にいたくないという台詞で、ポワロに事件で呼びだされ

ホットしているという設定。

 

原作ではポワロは、警察部長のジョンスン大佐を訪れたことに

なっており、ドラマとは大幅に脚色されており、ストーリーの

本筋はあまり変えずに、人物や設定状況は大幅に脚色されている

これがドラマの良さでもある。

 

スタートエピソードは、南アフリカでダイヤモンドを探している

2人の男性のエピソードがあり、一人を殺害しダイヤを一人占めに

した男が、父親に死なれた女性に助けられる。

 

男性とベッドを共にした翌朝、男は女性の元を去ってゆくという

前日談が描かれる。

 

それから40年後のロンドンへと場面は転換し、ポワロのマンションの

暖房の話へと繋がってゆく。

シメオン・リーは自宅で共に暮らす長男夫婦、下院議員の次男夫婦、

亡くなった娘の子供ピラー(孫娘)、そして3男のハリーを呼び寄せる。

(原作ではもう一人、子供がいる。)

 

遺言を書き換える様な素振りを見せたその夜、シメオン・リーを訪ねた

地域を管轄する警察のシュロップシャー警視が、訪問しており、

そして警視が退出し館を出た後に、シメオン・リーは、大音響と

ともに殺害される。

 

遺産相続をめぐる争いから、殺人に至ったのか?を中心に

ストーリーは展開するが、徐々に各自の抱える問題や個人的な

調査が進められ、背景が浮かび上がってくるという展開。

 

ダイヤが紛失していたことも有、ダイヤモンドを狙っての犯行

かとも検討される。

長尺版(90分)で、この辺の人物のキャラクターや背景は、

短縮版と違い、じっくりと描かれている様である。

 

殺害を防ぐのが本来のポワロの任務だったはずなのだが、ポワロの

物語では必ず事件が発生し、そのあとにポワロは“灰色の脳細胞”

を駆使し、事件を解決するのである。

これは、ポワロシリーズの約束事と言っていい。

 

今回も密室殺人の謎に挑み、怪しげな複数の犯人候補の素性も

調べ上げ、最終的には、40年前に捨てられた

ステラ・ド・ザイフデルの息子で実は、40年前に一夜を

伴にしたシメオン・リーとの間に出来た子供が、サグデン警視であり、

その彼がトリックを使って殺害したことが、ポワロによって

暴かれるというストーリー。

 

さまざまな伏線、台詞の一つ一つが、事件解決の要素となっている

このシリーズは、エナメル靴にこだわり、髭にも徹底したこだわり

を持ち、寒さを嫌い、イギリスには食はないと自ら料理もする

ポワロのキャラクターが魅力である。

 

今回も盟友ジャップ警部から、クリスマスプレゼントの手袋を

貰うが、あまり気に入ったようではないが、ジャップ警部に

キューバ産の葉巻をお返しにプレゼントするポワロの顔が面白い。

 

またその葉巻を購入した店のいたずらグッズが、事件解決に

おおおいに役立つというのもこのドラマの面白い演出である。

「今作は、長編バージョンで、この回から短編(45分バージョン)は

製作されなくなっている。」

 

“ポワロは面白い”☆☆☆☆☆

 

0 件のコメント:

コメントを投稿