☆スズメバチの巣「Wasps’ Nest」
(1992年制作、ブライアン・ファーナム監督、脚本:デヴィット・レンウィック、原作:アガサ・クリスティー
デビット・スーシェ、ヒュー・フレイザー、フィリップ・ジャクソン、ポーリン・モラン、マーティン・ターナー)
犯行が立証されないまま(死体が出ない)、ポワロの名推理が
展開されるという極めて珍しい作品。
ポワロは旧知の作家ハリソンに出会う。彼には恋人がおり、婚約者のモリーは
モデルで売れっ子、ハリソンの邸宅のスズメバチの巣を駆除にやってくる
モリーの元恋人クロードも登場、何やらきな臭い展開である。
実はクロードは今でもモリーを忘れられず、モリーも心が揺れ動いているという
設定。
そのことに気付き始めたハリソンが、犯行を計画するというストーリー。
しかしかしながら、ハリソンは実は余命2ヶ月の病身で、焦燥と怒りが渦巻く
心情をポワロが理解し、事前に犯行を察知し、クロードを犯人にしようとの
ハリソンの犯行を邪魔をするという、初めて殺人事件を未然に
防ぐ脚本となっている。
この作品では、ヘイスティングスがカメラを購入し、盛んに写真を撮りまくり、
実はその写真がポワロの事件発見の引き金となっている。
また、ジャップ警部が腹痛で入院するというシーンも登場、手術するという
セリフがあり、ミス・レモンの通うフィットネス・クラブに運動不足
(本人は体調万全とうそぶく)のポワロを勧誘するシーンも描かれる。
ハリソンの掛かり付けの医者から、ハリソンの病状を知らされたモリー、
クロードとよりを戻したモリーは、ハリソンの下から去ってゆくのだが、
その前にクロードを殺害犯にしたてようとしていたハリソン、
しかし事前に察知したポワロはハリソンが紅茶の中に青酸カリを入れるのを、
洗濯ソーダとすり替えていたというストーリー。
暖かなポワロの旧友への思いやりがうれしい作品だとなっている。
エンディングでハリソンへ挨拶する時にポワロが、帽子を脱ぐ姿が
とても様になっている。
“ポワロは面白い”☆☆☆☆☆
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