☆ひらいたトランプ「Cards on the Table」
(2005年制作、セアラ・ハーディング監督、脚本:ニック・ディア、
撮影;デビット・マーシュ、♪:クリストファー・ガニング、
原作:アガサ・クリスティ、
デビット・スーシェ、ゾーイ・ワナメーカー、アレキサンダー・シディグ、
アレックス・ジェニングス、レズリー・マンビル、ジェニー・オギルビィ)
オリヴァーの小説の主人公は、フィンランド人探偵スヴェン・ハンセンで、
ポワロを投影させているとも言われ、オリヴァーのキャラクターには、
クリスティ自身がキャラクターに投影されていると言われている。
オリヴァーはポワロシリーズの後期に頻繁に登場する(5作品)キャラクターで、
ポワロの相棒的な役割を演じている。
またこの作品では、ホワイトヘブンマンションが再び登場、
別の部屋へ移ったという設定となっている。
(作品によっては執事のジョージが登場する)
以前の内装とは全く別となっており、セットも新しくなっている。
この作品は、犯罪を調査し推理する探偵役4人、過去に殺人行為を行いながら
摘発されていない4人が集まったパーティーで、主催者のシャイタナが、
殺害されるという物語。
探偵役は、ポワロ、ロンドン警視庁のウィラー警視、女流推理作家オリヴァ夫人、
情報部員ヒューズ大佐、過去に殺人が摘発されていない招待客は、
デスパード少佐(友人を銃で撃つ)、アン・メレディス(雇い牛を薬物で)、
ロリマー夫人(夫殺し)、ロバーツ医師(薬の投与で妻を殺害)の4人、
ブリッジを楽しむ人たちの横にあるソファで練っていたシャタイナが
刺殺されているのが発見される。
捜査にあたったポワロは、シャタイナは殺されることを予期し、
どのように殺害されるか、そして探偵4人が、どう暴くのかを楽しみに
していたような内容に、シャイタナのポワロへの挑戦と受け止め、
真相解明に乗り出す。
シャイタナの心理が観客には、伝わりづらかったように感じられる作品で、
謎解きも、ブリッジの点数評価ら読みととれる各自の心理を読み取り、
ブリッジをしていた際のそれぞれの行動を聞き取りしながら、真相に迫ってゆく。
シャタイナが何者なのかが、分かりづらく、殺人の動機も良く理解できなかった。
アンとローダの諍いやアンとロリマーの不幸な出来事による親子関係等
さまざまエピソードが殺人事件との関連で描かれてゆくのは、
このシリーズの特徴である。
ロケーション撮影やグリーン・スクリーンでの撮影の後のCG処理等で
1930年代の雰囲気を演出してゆくポワロシリーズは、新・シリーズに
なりより画面が鮮明になり、鮮やかになっっている。
緑は濃く、花々は美しく、対象物と周囲の景観バランスが観客に映えている。
写真の趣味のあるシャタイナに、ある秘密を握られたジョン・ロバーツ医師は
医師免許剥奪を恐れる、何と捜査する側のウィーラー警視も
ポワロに疑われる、その秘密とは、、、。
シャイタナの仕掛ける殺人ゲーム、挑戦を受けて立つポワロと言う図式の今作は、
新たなポワロの相棒の登場、異色の被害者と目新しさは会ったものの、
クリスティ得意の遺産相続や一族のどろどろした葛藤などは描かれず、
ちょっと期待外れ感が強かった。
メイキング映像を見ているとポワロシリーズに出演する俳優の多くは、
人気番組故に非常に光栄に思っており、嬉々として出演していることが良く解る。
撮影地の責任者、ロケーション・マネージャー、撮影全般の管理や調達全般を
仕切るプロダクション・マネージャー等がドラマ撮影の影の力持ちだと
いうことが良く理解できる。
ポワロのデビット・スーシェはポワロ役では声を一段高くし、
歩き方も原作により忠実に、顔のメイクにも長時間を要している。
代役を使いリハーサル、その間セリフの暗記やイメージを膨らませる俳優達、
出番を終えて撮影地を離れる俳優、スタジオ撮影だけでロケに参加できない俳優達、
次の撮影の準備を進めるスタッフや俳優達と人気連続ドラマ
の制作の裏側にはさまざまなドラマが潜んでいる。
“ポワロは面白い”☆☆☆☆
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