☆第三の女「Third
Girl」
(2008年製作、ダン・リード監督、脚本:ピーター・フラナリー、
撮影:ポール・ボンド、音楽:クリストファー・ガニング、
原作:アガサ・クリスティ
デビット・スーシェ、ゾーイ・ワナメーカー、ジェームズ・ウィルビー、
ジェミマ・ルーパー、ピーター・ボールズ、ルーシー・リーマン、ティム・スターン)
オリヴィエ夫人の紹介で、ポワロを訪ねてノーマ・レスタリックが、
殺人を犯したかもしれないと訪ねてくる。しかし、イメージしていた
探偵像と違ったのか、ポワロに対し「まるで化石」という言葉を残し、
事件については何も告げずに立ち去ってしまう。
その後、ノーマが他の女性とシェアして住むアパートに住む
ノーマの乳母シーグラム夫人が死体で発見される。
ノーマにポワロを信じてと告げるものの、ノーマ自ら自分が殺したかも
しれないと名乗り出たことで、スコットランドヤードの
ネルソン警部補に連行される。
ノーマには、幼いころ浴槽で母親が自殺したのを発見したというトラウマがあり、
父親とも幼いころに別れているという過去を持っていた。
しかし、ノーマが相続した莫大な遺産を巡って、様々な人物が登場する。
ノーマに残された大邸宅クロスヘッジの管理人として登場するのは、
ノーマの大叔父で、目の不自由なロデリック卿と娘の様な若い秘書ソニア、
ノーマの父アンドリュー・レスタリックが、20年振りに南アフリカから帰国し、
ノーマのルームメイト、クローディアを秘書に雇っているという設定。
同じくルームメイトの女優フランシスは、ノーマが思いを寄せる
画家デビットの絵のモデルとなり、デビットをノーマから奪おうと
しているという展開。
さまざまなエピソードの後に、ポワロはノーマの元家庭教師バタスビーとの
会話から、ノーマが死亡する場合、莫大な遺産の半分は、父に渡り、
邸宅クロスヘッジは、管理しているロデリック卿へと与えられることを知る。
また、シーグラム夫人の住むアパートの持ち主であるレスタリック工業の
社長として復帰したアンドリューの顔を知っている唯一の人物でもあった
シーグラム夫人が、亡くなっていることもあり、ノーマの父親の実像を
知る人物が誰もいないという状況なのだが、画家のデビットとの会話から、
デビットガレスタリック家の写真を探していることを知る。
釈放されたノーマは、アンドリューに対し、“あなたは誰?”と問いかける。
違和感を感ずるポワロ、結局、アンドリューは南アフリカで1年前に
亡くなっていることがネルソン警部の調査で解り、アンドリューの
友人ロバート・オーウェルが本人に成りすまし、偽物であることが判明する。
真実を解き明かすポワロによって、ルームメイトのフランシスが
実は死亡しているアンドリューと元家庭教師のバタスビーとの間に
出来た子供であることが判明し、ノーマとは異母妹となり、
実は遺産の相続人が他にもいたという事実が明かされる。
20年振りに英国へ戻ってきたアンドリューを出迎えた、
バタスビー夫人は、本人ではないことを知り、フランシスに
そのことを告げており、事実を知るシーグラム夫人を闇に葬ることで
財産を奪い取るために、フランシスとオーウェルは共謀していた
という事実をポワロが解明する。
実行犯はフランシスで、オーウェルはその片棒を担ぎ、会社を整理し
その売却金も得ようとしていたのである。
フランシスの動機は、あくまでも遺産相続に絡む金で、その上、
20年前に母と自分を捨てたアンドリューへの復讐心だった。
ノーマを心配し、陰で守ろうとしていたデビットの愛を信じ、
腕の中に飛び込むノーマ、それを見つめるポワロ、目から涙が、、、、、。
ポワロでも溶けない謎、それは愛である とオリヴァー夫人に
話すポワロのシーンでエンディング。
入り組んだストーリー、室内劇を見るような展開、これもポワロの魅力だろう
“ポワロは面白い”☆☆☆☆
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