☆五匹の子豚「Five
Little Pigs」
〈2003年制作、ポール・アンウェイ監督、
脚本:ケビン・エリオット、撮影:マーティン・ファーラー、
♪;クリストファー・ガニング、原作:アガサ・クリスティ
デビット・スーシェ、レイチェル・スターリング、エイミー・ミューリン、
ジェマ・ジョーンズ、エイダン・ギレン、ジュエリー・コックス、
マーク・ウォレン、トビー・スティーブンス、ソフィ・ウィンクルマン)
14年前の事件の真相を追いかけるポワロを描く作品。
ミス・レモン)が登場しない新・シリーズの1作目となっている。
題名の“五匹の子豚”は過去の事件を知る5人の証人を訪ね歩くことから、
マザー・グースの歌になぞらえて命名されているらしい。
して処刑された事件の再捜査を依頼される。
母親キャロライン、夫は画家のアミアス、キャロラインの
異父妹アンジェラと娘のルーシーの4人で住んでいる。
同居するのは、アンジェラの家庭教師ミス・ウィリアムス、
家政婦のスプリグス夫人という設定。
そこに、女性に手の速いアミアスのモデルエルサが、アミアスに
愛されていると誤解し、結婚すると騒ぎ出す。
アミアス、キャロラインとは幼馴染のブレイク兄弟も事件の重要な
カギを握る人物として登場する。
キャロラインの担当弁護士と面会するものの、犯人に間違いなかったと
いう話しか聞けず、ポワロはキャロラインが処刑の前に娘ルーシーに
あてた手紙での、私は犯人ではないとの記述、異父妹アンジェラに
あてた手紙、“安心して、今は安らかな気持ち”という記述を
事件解明の糸口にする。
アンジェラの家庭教師ミス・ウィリアムスのアミアスの亡くなった
直後のキャロラインは、ビール瓶の指紋を拭いていたとの証言で、
ポワロはキャロラインの無実を確信する、何故ならアミアス殺害の
毒物は、グラスに入っており、ビール瓶の中に入っていたのではないこと。
ビール瓶の指紋を拭く行為は、原因を良く知らないと
いうことに繋がるのである。
アミアスの女遊びに手を焼くキャロラインも、今度ばかりは
他の人のいる前で、結婚するのよね とエルサがアミアスに言葉を
投げかけられては、プライドはずたずたで、アミアスを殺してやろうと、
メレディス・グレイクの小屋から薬物を盗み出す。
その場面をエルサが見ていた。
アミアスは絵を仕上げるまでの関係で、相手は子供で相手にするなと
キャロラインに言い訳するものの、その会話を聞いていたエルサが、
騙されていたとようやく気が付く。
そして事件が起こる、キャロラインは幼いころアンジェラの片方の目を
傷つけた負い目を感じており、エルサと恋人気取りのアミアスとは
口喧嘩を繰り返し、事件当日ビール瓶を持っていたことから、
キャロラインはビールに仕込んだ毒物が原因だったと思い込んでしまう。
アンジェラを庇うため、すぐに寄宿舎へやり、ルーシーはカナダの
親戚に預けるキャロライン、夫殺しで逮捕され、裁判で有罪となっても
一切口を紡ぐキャロライン、それは全てアンジェラを庇ってのこと。
目を傷つけた事への贖罪の気持ちがあったことがポワロによって
明らかにされる。
犯人は誰か? 犯人は騙されたことに腹を立てたエルサで、
絵を描いているアミアスのグラスのビールに、キャロラインの部屋から
隠してあった薬物を盗んだエルサが薬物を混ぜ、殺害したことが
ポワロによって明らかにされる。
言い訳をしないエルサ、銃を構えるルーシー、撃って見せてと
詰め寄るエルサ、撃っては貴方の心が死んでしまうと止めるポワロ。
銃を撃つことを止め、ベランダで幸せだった子供時代、両親と
アンジェラとの4人に思いを馳せたシーンでエンディングとなる。
芸術のためとはいえ、モデルを勝手気ままに自由奔放にさせる、
アミアスの心情に共感できなかった。
ユーモアの消えたポワロには、どこか違和感を覚えた。
“ポワロは面白い”☆☆☆☆
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