☆三幕の殺人「There
Act Tragedy」
(2010年制作、アシェレイ・ピアース監督、脚本:ニック・ディア、
♪:クリストファー・ガニング、撮影:ピーター・グリーンハル、
原作:アガサ。クリスティ
デビット・スーシェ、マーティン・ショウ、キンバリー・ニクソン、
ジェーン・アッシャー、アート・マリック、アナスタシア・ヒル、
ロナン・ヴィバート、ケイト・アッシュフィールド、
トム・ウィズダム、アンナ・カートレット)
ポワロの古くからの友人で引退した俳優、サー・C・カートライトの
別荘に招かれたポワロ、パーティーに集まった人々の中で、
パピントン牧師が突然倒れ死亡する。
飲んだお酒の中にも、毒物の痕跡はなく、現場にいたポワロも、
他殺の兆候はなく、突然死と結論付ける。
医師で療養所を営んでいるサー・ストレンジの開いたパーティー、
カクテルを飲んだ途端、ストレンジが死亡。
死亡記事の出た新聞をポワロに見せるカートライト、
カートライトが結婚したいと思っている若いエッグ・リットン嬢の存在、
クロスフィールド警視の捜査協力等の他にもさまざまな人物が登場する。
ポワロは、2件の死亡は同一犯による殺人事件と考え、
カートライトの要請を受け、調査を開始するという展開。
チャールズがリットン嬢と結婚に踏み切らない理由が、
事件を大きく左右するのだが、実はカートライトには、
精神を病んでいる妻がいたという設定。
その妻も送られてきたチョコレートを食べたことで死亡する。
掘り起こされた牧師の遺体からニコチンが検出され、
3人ともニコチンが死亡の原因と特定される。
二重婚の問題が、殺人の動機となっており、妻の居ることを
知っているストレンジの殺害こそカートライトの目的で、
リットン嬢との結婚を目論むカートライトが、執事に変装し、
ストレンジの飲み物にニコチンを入れて毒殺したものと判明する。
牧師の殺人は、実は相手は誰でも良く、ストレンジ殺害の
予行演習だったこと、犯行の目的から目を逸らすためだったことが、
ポワロによって究明される。
作品としては、複雑ではなく、ミステリーの味付けもほどほどで、
俳優という職業柄、変装には抵抗はなく変装した人物になりきるのも
お手の物で、ポワロを翻弄しようとして、逆にポワロに
トリックが見破られてしまうという作品。
カートライトに対抗するエッグの友人若いオリヴァが登場したり、
秘密を知っていそうな女性の劇作家等ストーリーを
膨らませては入るものの、作品全体は小粒な印象。
古くからの友人の犯行を暴くという、ちょっと切ないポワロだったが、
それなりに楽しめる作品となっている。
“ポワロは面白い”☆☆☆
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