☆二重の扉「Double
Sin」
(1990年制作、監督:リチャード・スペンス、脚本:クライブ・エストン、
原作:アガサ・クリスティー
デビット・スーシェ、ヒュー・フレイザー、フィリップ・ジャクソン、ポーリン・モラン)
有名な細密画の詐欺事件と遭遇するヘイスティングスとポワロ、
ジャップ警部を描いた作品。
細密画を持参し、相手に販売しようとしていたメアリと知り合いとなるが、
細密画が盗まれたとメアリがヘイスティングスに訴える、被害者のメアリと
ミス・ペンに同情し、事件を解決すると意気込むヘイスティングス、
事件の依頼が無く、探偵業をやる気のないポワロ、さてヘイスティングスは
どう解決するか?
ポワロが一歩引き、ヘイスティングスが物語を牽引して行くストーリーだが、
最後はポワロの推理で事件が解決する。
やる気のないポワロが保養地へ旅行、普段は乗らない乗り合いバスに乗車したり、
探偵業を引退しているのでヘイスティングスの捜査には協力できないと
断ったりと、ポワロらしくないエピソードを積み重ねている。
ジャップ警部が地方の婦人会の依頼で講演をすることを知ったポワロは、
講演の事は興味もないし知らないとヘイスティングスに応え、
突然イギリス北部の保養地へ行こうとヘイスティングスを誘う。
実はこの行先こそ、ジャップ警部の講演先だったということになるのだが、、、。
留守を預かる秘書のミス・レモンは、事務所の鍵を紛失、事務所へ泊まり込みで鍵を
探すというエピソードが並行して描かれている。
(ところで、秘書のミス・レモンは原作には途中から登場するのだが、
テレビドラマでは第1作から登場する。)
古物商を営む足の不自由なミス・ペンとメアリは、コレクターのウッドへ
細密画のペンダントを売る予定だったのだが、実はその細密画はメアリが
運ぶ途中に盗難に遭ったものと主張、謎の老婆がウッドへ既に7000ドルで
販売していたという構成、ヘイスティングスと警察が捜査し、
ウッドから細密画を取り上げるのだが、果たして犯人は?というストーリー。
怪しげな髭の男(実は愛し合う女性と駆け落ちの途中)を犯人と思い込む、
ヘイスティングス、ラストは、ポワロのアドバイスでメアリ、ミス・ペン、ウッドを
引き合わせることで、事件は解決する。
メアリと足が不自由ではないミス・ペンが仕組んだ盗難事件だったことが
ばれてしまうというあっけない幕切れ。
ジャップ警部は、講演の中で悪質な探偵業を非難する傍ら、名探偵ポワロの功績を
褒め、感謝の言葉を述べるのだが、そっと隠れて聞いていたポワロが
にんまりとするシーンが印象的に描かれている。
事件の解決は意外とあっさりだったが、探偵業に自信を失くしたポワロが、
ジャップ警部の賞賛の言葉に、再び探偵業への意欲を示す一遍となっている。
イギリスののどかな風景がふんだんに登場する作品でもある。
“ポワロは面白い”☆☆☆☆☆
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