☆なぞの盗難事件「The
Incredible Thief」
(1988年製作、エドワード・ベネット監督、脚本:デヴィッド・リード
撮影:アイバン・ストラスブルグ、音楽:クリストファー・ガニング
デヴィット・スーシェ、ヒュー・フレイザー、フィリップ・ジャクソン、
ポーリン・モラン、ジョン・ストライド、カルメン・ドュ・サウトイ、
シーラン・マッデン、ジョン・カーソン)
ドイツ軍のスパイ/ヴァンダリン夫人を罠にはめようと、新型戦闘機の
設計図を餌に国家機密紛失の危機を描く作品。
第2次大戦前の雰囲気が良く出ていて、いつも感心するが、さまざまな備品や舞台装置が凝りに凝った感じで、当時の雰囲気をうまく出している。
兵器開発のメイフィールドは、以前日本軍との取引を示す書類をドイツに抑えられ、新型兵器の設計図と日本軍との関係を示す書類を交換しようと脅迫されているという設定。悩んでいるメイフィールド見かね心配したメイフィールド夫人が、ポワロへ救いを求める。
夕食会の日、食事が終わってからまんまと設計図を持ち出される。
ヴァンダリン夫人が持ち出したと決めてかかるサー・ジョージは、ジャップ
刑事を呼び寄せており、早速警察が捜索、連行されたヴァンダリン夫人の部屋や身体からは、設計図は発見されないという状況で、夫人は釈放される。
ヴァンダリン夫人は翌朝メイフィールド邸から車で去ってゆくのだが、
メイフィールドの秘書のカーマイケルが真っ赤アタッシュケースを夫人に渡したことから、ポワロはメイフィールドが仕組んだ策略に気付き、ドイツ大使
公邸へ向かうヴァンダリン夫人をヘイスティングの運転で追いかける。
ドイツ大使公邸でカバンを渡し、ドイツ式の挨拶を交わすヴァンダリン夫人、
これによって彼女がドイツのスパイであることははっきりする。
そして、彼女が入手した設計図は、実は計算ミスされたもので、メイフィールドと秘書のカーメイケルが、自らを守り、尚且つ国の為、偽の設計図を渡したことが明かされる。
冒頭、新型戦闘機のデモンストレーションがあり、迫力満点。
後半は迫力のカーチェイスもあり、ヘイスティングス大尉の見せ場も
用意されている。
ジャップ刑事の出番は多くないものの、きっちり出番は用意されている。
なかなか凝った脚本で、あまりいい意味ではないが、日本の天皇の話題も
出てきて楽しめる作品である。
劇中、ヒットラーは小男とそしてムッソリーニはガマガエルと揶揄されている。
呼び寄せられたジャップ刑事とホテルで同室となったヘイスティングスが、
ジャップ警部の鼾が凄いことをポワロに愚痴るエピソードが楽しい。
“ポワロは面白い”☆☆☆☆☆
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