ポワロは面白い2
☆ ミューズ街の殺人「Murder
in the Mews」
(1988年制作 エドワード・ベネット監督、脚色:クライブ・エクストン、
撮影:アイヴァン・ストラスブルグ、音楽:クリストファー・ガニング
デヴィット・スーシェ、ヒュー・フレイザー、フィリップ・ジャクソン、
ポーリン・モラン、ジュリエット・モール、デヴィット・イェランド)
ジャップ刑事の「不審な奇妙な事件」という電話に、歯医者の予約を
キャンセルし現場に向かうポワロ。
歯医者が嫌いなポワロ「完璧な歯に傷をつける(穴をあける)のは許しがたい」と言う場面は負けず嫌いの性格が垣間見える。
ジャップ警部の奥さんへの愚痴も初めて聞ける作品でもある。
自殺か他殺か、花火の音で銃声は聞こえなかったのかどうかは解らないが、
冒頭で3人(ポワロ、ヘイスティングス、ジャップ警部)が、花火で遊ぶ
子供たちを観ながら、「ガイ・フォークス・ディ」のこんな夜は殺人事件が
起こる気がすると言っていたことが現実となる。
さまざまな状況から、殺人事件として捜査するがなかなか解決の糸口が
見つからない。
ワイシャツのカラーの糊付けが、気に入らないと業者へ苦情の手紙を
出そうとする笑える場面でポワロの几帳面で細かい性格が表現されている。
また、多分シリーズで唯一のシーンだと思うが、ポワロがゴルフ場で、
ティーショットを打つ場面がみられる。「大陸では名人と言われている」
というポワロの言葉に見栄っ張りで自信家のポワロが垣間見られる貴重な
場面でもある。
事件は、亡くなった未亡人アレンを恐喝していたユースタフ少佐を
犯人にしようとの意図が明確になってくる。
インド時代の愛人関係をネタに強請っていたらしい。(ポワロシリーズでは、
“インド時代”というのが、多くの作品に出てきて、重要なキーワードに
なっています。)
結局は、自殺していたアレンをルームシェアしていたジェーンが、
他殺に思わせるための、偽装工作をしていたということで解決するのだが、事件よりもポワロの性格や習慣のエピソードの方が、楽しい作品。
“ポワロは面白い”☆☆☆
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